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twitter始めました。ID:kuryu_fox  適当に放置したり投下したり。
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<セルフォ側9日目>
―8日目―
特に無し。
 
―9日目―
メモ。
いつもの物は要請済み。
明日受け取り。
南の街の依頼について情報収集を怠らないこと。
 
 
-----
 
 
適当に手帳に万年筆を走らせれば、ふぅ、と息をついた。
どうにもこの頃身体が重い。いつもの”アレ”が必要になる時期。
携帯電話を取り出せば、手馴れた手つきでボタンを操作し、耳に当てる。
 
「オレだ。例の物を頼む。」
「やれやれ、いつものアレかい?」
 
中性的な声が聞こえれば、電話の向こうで溜息をするのが聞こえる。
 
「少しは要件以外の事を挟もうという気はないのかい?」
「手短のほうがいいだろう?要件は。」
「……まったく、長生きな癖してせっかちだね。」
「お前のように、”元から”長生きじゃないんでね。」
 
胸元のポケットから煙草を一本取り出し、口に咥え。ジッポーで火をつける。
 
「煙草、好きなんだね。私と会話するときくらい謹んだらどうだい、こっちにまで煙がきそうだ。」
「ふん、こちとら身体が辛いんでね。何かで気を紛らわせにゃあ、やってられん。」
 
そう言い切ると、少しの間沈黙が流れた。
その沈黙を破ったのは向こうの、少々声のトーンが落ちたもの。
 
「気づいているかい。そっちに行ってから、君の『癒血』の間隔が短くなっている。」
「……。」
「もしかすると、”耐性”が付き始めてるのかもしれない。厄介な呪いだ。」
「んだな。お前さんの相反する血で相殺するしかねぇたぁ、ザマァ無い。」
 
どうにも、煙草が不味い。いつもの銘柄なのだが。湿気ているのかもしれない。
 
「君は。どうしても人間で居ようとするのかい?」
「……どういうことだ。」
「受け入れれば楽だということだよ。君の扱う力も、もっと馴染む。」
「……。」
「その呪いは、人間であることを捨ててしまえば、一切悪いことはないんだ。」
「でも、それは。」
 
相手の言葉を遮るように、強めの声で言う。
 
「……私は、君のことは嫌いじゃないからね。付き合いの長い友人も、悪くない。」
「ふん、バケモンとなんざ、こっちから願い下げだ。」
「寂しいことを言う。」
 
電話の向こうで笑う声が聞こえる。が、どこか寂しげだったのは気のせいだったか。
 
「しかし、本当に良いのかい。もし、呪いを解く方法が見つかったら」
「くどい。」
「……君が居なくなって、悲しむ人がいることも忘れないでくれよ。」
 
ぷつりと、通話が切れる。
電話をの方をちらと見やり、ため息をついた。
 
「ンなもん、別れっていうのは突然やってくるものだろうが。
 不死のてめぇに言われても嬉しかねーっつの。」
 
悪態をつくも、それを聞く者はだれもいない。
なんだか虚しくなって、再度ため息を付くのだった。



<アンジ側9日目>
★断片「面」
 
「のぅ、ミサキや。滑稽であるのぅ、人というものは。」
 
樹の枝の上に座り、カラカラと笑うは癖の強い女性の声。
狐面を通して瞳に映すは、宵刻の集落。
ばさり、と一回暗闇に溶ける漆黒の翼を動かして、ミサキと呼ばれたモノの頭を撫でる。
 
ミサキ。
 
とある地方では神霊の呼び名。
とある地方では憑き物の呼び名。
とある地方では人間の怨霊の呼び名。
 
「人間同士で争い合い、奪い合い、それでなお満たされぬ。
 獣と同じかと思えば、それ以上に強欲だ。知識欲、支配欲、なにをとっても、な。」
 
翼を動かす人型は、す、と面の奥の目を細める。
ミサキと呼ばれたモノはただ、集落をじっと見つめていた。
 
「今宵、この集落は滅ぶ。軍靴の音と共に。
 のぅ、”お主ら”はこの身勝手な者たちを救うのかぇ?」
 
人型の影から数多のミサキが顔を出す。
その様子を見やれば、ふと面の奥で笑みを漏らす。
 
「都合のいい時だけ神頼みする輩。
 常日頃から、それくらい信仰してくれればのぅ。感謝するんじゃな、あの童に。」
 
 
------
 
 
集落は山に囲まれており、その少し外れた場所に森に囲まれた小さな神社がある。
しかし、それは神社というのも烏滸がましい程荒れており、苔が蒸し、木々が社を覆っていた。
 
唯一、祠だけが神聖な場所という体裁を保っていた。
何を祀ってあるかは、今となっては人間の中では誰も知る由もない。
それもまぁ、祠ですら気づく者にしか気づかないのだが。
 
その土地が神社があった場所と知ってか知らずか、いつしか荒れた社の中に狐が住み着くようになった。
狐一匹、とても幼い狐だった。はぐれたのだろうか。
放っておけば、いつの間にか死んでそうな。それくらいか弱い幼い仔。
しかし、汚れのない美しき月の色の毛並みが、荒れ果てた社の中で命の光を放っているかのようだった。
 
「のぅ、童よ。」
 
その声が聞こえたか、仔狐はこちらの方を見やる。
が。どこか気になるのか、自分自身の尻尾を舐め始めた。
 
……これだから獣は。
 
「まぁよい、お主は何故こんな辺鄙な所に来たのか。わしは興味がある。」
 
そう言って手を伸ばし、仔狐の喉元の毛を撫でてやる。
すると、仔狐は無防備に気持ちよさそうに目を細めた。
 
……これだから獣は。
 
「ふ、綺麗な目をしておるな。」
 
立ち上がり、ばさり、と翼をはためかせた。
その行為に驚いたのか、仔狐はじっと見つめてくる。
 
「心配するでない、わしは……ここの主じゃよ。」
 
狐の面を顔につけ、仔狐の顔に顔を近づける。
 
「お主の親代わりとなってやろうか?……なーんての。」
 
面の奥で小さく笑い、一枚の漆黒の羽が仔狐の上に舞った。
その羽根を手に取り、仔狐の頭に優しく当てる。
 
「そこら辺で野垂れ死んでもろぅても困るしのぅ。っと」
 
そう言いかけるや、影からミサキが一匹、仔狐に向かって飛び出した。
 
「これ、ミサキ。喰ろうてはならぬ。わしの子だ。」
 
ミサキはじっと仔狐を見つめながら、ゆっくりと仔狐の周りを歩くように。
仔狐は仔狐で、いきなり影から出てきたミサキに驚いているように見えた。
ミサキは暫く仔狐の方を見つめていたが、すと狐面の方へと視線を向けた。
 
「……言いとぅことは分かる。が、此奴に悪意はありゃーせん。
 仲良くしぃ、我が鴉羽の名において命ずる。」
 
ミサキはそう言われると、目を瞑りその場に丸くなった。
 
「ふふ、悪ぅない奴等じゃからのぅ。童も仲良ぅしぃや?」
 
くすくすと、鴉羽は笑った。
 
 
-----
 
 
☆気配
 
仔狐は何かに導かれるように歩く。
その先に見えるは白き軍服を纏う男。
 
「……」
 
完全なる偶然。意識すらしていなかったであろう方向。
その姿は何を思い起こすか、仔狐は低い姿勢で威嚇し始める。
 
「……ぐぅぅうう……ッ」
 
一方的な敵意、一方的な威嚇。
 
それも、仔狐の姿であるから。恐らくはなんとも思わなかったのだろう。
……仔狐の影から黒いモノが飛び出すまでは。
 
狐の嘶きに呼応するかのように、影は”白”に襲いかかった。
 
 
********************************************
《設定解除》
特になし。
 
Next Conditions → 狐への会話メッセが累計×××個。
(9日目現在、累計117。戦闘中の一部の台詞も有効。)
対人戦が××回。
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Secret point:39-20+[1d6+1:5]
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続きは畳みます。

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プロフィール
HN:
天崎
性別:
非公開
自己紹介:
獣人大好き。狐好き。かわいい子もおっさんもウェルカム。

お絵かき、メッセが好きだが不幸なことに時間を割かれるとか何とか。
お絵かき好きと言えども、上手いというわけではない、というか、下手。要注意。

リンクフリー。このごろ、外回りできてなくての。
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